最新 瑕疵担保保険が改定されます
瑕疵担保保険が改定されます
概要
2025年4月1日から瑕疵担保保険の設計施工基準が改定されます。この改定は、建築基準法や建築物省エネ法の改正に伴うもので、保険法人5社が共通での対応となります。
保険法人5社
瑕疵担保保険を取り扱う保険法人5社は、国土交通大臣に指定された以下の企業です:
・株式会社住宅あんしん保証
・住宅保証機構株式会社
・株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)
・株式会社ハウスジーメン
・ハウスプラス住宅保証株式会社
この改定は新規契約だけでなく、継続契約にも適用される予定です。変更される主な点としては、検査基準の厳格化や保証範囲の明確化が行われます。その為、継続契約を検討している場合も事前に確認しておくことが重要となります。
今回は、新規契約の場合と継続契約の場合で説明します。
新規住宅編
新築住宅の瑕疵担保保険に関する設計施工基準の改定内容
主な変更点
主な変更点として、JIS、JASS及び建築基準法の改正に基づき、設計施工基準が見直されることになりました。新基準の適用開始日は2025年4月1日で、それ以降に到着する申込書類から随時適用される予定です。瑕疵担保保険改定の要点をまとめると、以下のようになります:
改定の目的:建築基準法や建築物省エネ法の改正に対応
主な変更点:設計施工基準の見直し(JIS・JASS改正を反映)
2025年4月1日以降の申込書類から新基準を適用
影響範囲:新築住宅の瑕疵担保保険全般
特に重要な変更点
瑕疵担保保険の改定における特に重要な変更点は以下の通りです:
① 契約不適合責任への移行:従来の瑕疵担保責任から契約不適合責任へ変更され、売主の責任範囲がより明確化されました。
② 買主の権利強化:買主は契約内容に適合しない場合、修補請求や代金減額請求が可能になりました。
③ 通知期間の変更:契約不適合を知った時点から1年以内に通知すれば、権利行使が可能となりました。
これらの変更により、買主側の保護が強化される一方で、売主側にとっては、より慎重さが求められるようになります。
具体例
瑕疵担保責任が問われた具体的な事例をいくつか提示致します。
水漏れ事故:売却後に床下の水道管から水漏れが発生したケースです。契約時点ですでに漏れていた可能性が高いと判断され、売主が補修費を負担することになりました。
シロアリ被害:リフォーム済みの中古住宅の引き渡し後に、買主が床下の土台にシロアリ被害を発見したケースです。売主は知らなかったようですが、瑕疵担保責任を問われ補修費を請求されました。
地中埋設物:住宅を解体して新築を建てようとしたところ、地盤改良工事中に産業廃棄物が埋まっていることが判明したケース。売主は知らなかったが、撤去費用を負担することになりました。
これらの事例からも分かるように、売主が瑕疵を知らなかった場合でも責任を問われることがあります。
継続の場合の変更点
瑕疵担保保険の新規契約と継続契約(保険期間終了後の更新)にはいくつかの違いがあります。
新規契約
対象:新築住宅や既存住宅の初回保険加入
検査:保険法人による検査が必要
保険期間:通常10年間(新築の場合)
適用範囲:構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分
継続契約(更新)
対象:既存住宅で保険期間終了後に再加入する場合
検査:再度インスペクション(住宅診断)が必要
保険期間:更新時に設定(通常1~5年)
適用範囲:新規契約と同様だが、経年劣化の影響を考慮
2025年の改定では、継続契約の検査基準の厳格化や保証範囲の明確化が行われる予定です。
継続契約の検査基準の厳格化や保証範囲の明確化について
簡単に説明すると、継続契約の検査基準が厳しくなることで、より安全な住宅が保証されるようになります。具体的には以下のような変更があります:
検査基準の厳格化
より詳細な点検が必要:これまでよりも細かい部分までチェックされるため、隠れた問題が見つかりやすくなります。
専門家による診断が必須:住宅診断士や建築士による検査が義務化され、素人では気づきにくい瑕疵も発見されやすくなります。
経年劣化の影響を考慮:築年数が経過した住宅は、劣化の進行具合を詳しく調査し、保険適用の可否が判断されます。
保証範囲の明確化
対象となる瑕疵が明確に:雨漏りや構造の問題など、どのような不具合が保険の対象になるかがより具体的に定められます。
補償額の基準が統一:修理費用の上限や補償範囲が明確になり、トラブルを防ぎやすくなります。
中古住宅の保証条件が整理:新築と中古住宅で異なる保証内容が適用されるため、購入時に確認しやすくなります。
これらの変更により、住宅購入者が安心して保険を利用できるようになります。
継続の場合の具体例
瑕疵担保保険の継続契約が適用された具体的な事例をいくつか紹介します:
外壁のひび割れ:築10年を迎えた住宅で、外壁にひび割れが発生。継続契約の検査で構造的な問題がないか確認され、保険適用となり補修費用が支払われた。
屋根の防水不良:保険期間終了後に継続契約を結んだ住宅で、屋根の防水シートが劣化し雨漏りが発生。経年劣化の範囲を超える瑕疵と判断され、保険適用となった。
基礎部分の沈下:築15年の住宅で、継続契約の検査時に基礎部分の沈下が確認され、構造耐力上の問題があると判断されて保険適用となった。
これらの事例からも分かるように、継続契約では経年劣化と瑕疵の違いを慎重に判断し、適用範囲が決められます。
改定に伴う具体例
瑕疵担保保険の改定に伴い、継続契約に関する変更点として以下のような影響が考えられます:
1. 売主の責任強化
契約不適合責任の明確化:売主は、契約内容に適合しない場合、修補請求や代金減額請求を受ける可能性が高まります。
通知期間の変更:買主が契約不適合を知った時点から1年以内に通知すれば、権利行使が可能となり、売主の対応が求められます。
2. 継続契約の適用範囲の見直し
経年劣化の影響を考慮:築年数が経過した住宅では、経年劣化と瑕疵の違いを慎重に判断し、保険適用の可否が決定されます。
検査基準の厳格化:継続契約時の検査がより詳細になり、隠れた瑕疵の発見が強化されます。
3. 保険適用外となるケース
売主が瑕疵を認識していた場合:売主が瑕疵を知っていたにもかかわらず告知しなかった場合、保険適用外となる可能性があります。
契約時に特約がある場合:売主が瑕疵担保責任を負わない旨の特約を付けていた場合、保険適用が制限されることがあります。
これらの変更により、売主はより慎重な対応を求められる一方で、買主の保護が強化される形となります。
まとめ
2025年4月1日開始ですので、これから修正点などが出てくるかもしれません。確認したいことや不明点などがございましたら、お気軽にご連絡ください。