新型コロナ対策|清掃、消毒方法について

新型コロナ対策|清掃、消毒方法について

以前、弊社のコロナ対策や、エタノールが購入出来ない時の代替えについて書かせて頂きました。
これらの記事は、予防と家庭で出来るものとして書いております。

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今回は、本格的な消毒、清掃についてお知らせしたいと思います。

1.消毒の有効性

新型コロナウイルスは空気中であれば3時間プラスチックなどの表面上では約3日間と長時間生存するので、消毒、清掃が必要です。

新型コロナウイルスは、エンベローブと呼ばれる脂質成分からなる ウイルスの核を守る保護膜を持っています。ウイルスはこのエンベローブが壊されると感染力を失います。その為、消毒には脂質成分を溶解出来るエタノールが有効です。

*エタノール70%、次亜塩素酸ナトリウム0.1%ならば新型コロナウイルスを1分以内に不活化出来る事が確認されています。

厚生労働省が発表している「感染症法に基づく消毒滅菌の手引き」によりますと、新型コロナウイルスに有効とされる消毒は下記の通りです。

2.消毒方法について

① 80℃以上の熱湯に10 分間浸漬
②次亜塩素酸ナトリウム0.05〜0.5%(500〜5,000 ppm)で清拭*¹または30分間浸漬
③アルコール消毒用エタノール、70v/v%イソプロパノール)で清拭*¹または30分間浸漬
次亜塩素酸ナトリウムもしくは、アルコール70%以上を使用する事と明記されています。

*¹清拭とは、不織布等のクロスや紙クロスに消毒液を含浸させ、拭き掃除を行う事を意味します

ここからは、家、建物全体の消毒作業手順について書いていきます。

1.消毒作業手順

消毒の作業手順は下記の通りとなります。

① 現場状況の確認
・建物の間取りの確認
・よく手が触れる場所などを把握
・感染者の有無

②作業工程の確認
・消毒が終了した室内に入らないようにするため、上階奥から下階へ順に消毒作業を実施。
・感染者(陽性者)がいる場合、感染者の利用する室内の消毒を最終工程で実施。

③ 照明点灯、換気扇・エアコン作動停止の確認、窓の閉鎖を確認
ウイルスが室外へ漏れないように配慮する必要があります。
照明を点灯させることで、消毒が必要な箇所の作業不備を防ぎます。

④消毒作業
消毒作業は、「消毒液の散布(噴霧)と清拭」となります。
作業は指定されている防護具「使い捨て全身防護服、保護メガネ、マスク、手袋、長靴」の着用が必須です。

2.散布(噴霧)式消毒

①使用消毒剤/散布器具
 消毒剤:【アルコール消毒用エタノール、70v/v%イソプロパノール】/【次亜塩素酸ナトリウム0.05〜0.5%】
 散布器具:噴霧器や霧吹きなど

②散布場所 
 人が歩く場所など。具体的には[畳、床、絨毯、カーテン、ベッドマット、浴槽、浴室壁、便器内]など

③消毒方法
散布器具に消毒剤を入れ、人の手が届く範囲や人の歩く床面に向け、しっとりと湿る程度吹き付ける。

注意点
必ず指定防護具を着用すること。ウイルスの感染、消毒剤の吸引を防ぎます。
火気に注意すること。エタノールは引火性が強い消毒剤です。また、狭い場所で一度に長時間の作業は避けること。
・次亜塩素酸ナトリウムを使用するの場合の注意点
 -カーテンなどの布製品への使用は避けること。
 -ドアノブなど金属部を清拭した時は、5分後に水雑巾で再度拭取りましょう。
  *漂白作用により清拭場所の変色や腐食が発生します。

 

3.清拭消毒

①使用消毒剤
【アルコール消毒用エタノール、70v/v%イソプロパノール】/【次亜塩素酸ナトリウム0.05〜0.5%】

②消毒対象箇所
日常生活で手が触れる箇所すべてとなります。
具体的には、[ドアノブ、照明、エアコン、家電のリモコン、スイッチ、引き出しの取っ手、パソコンキーボード、筆記具、窓、便器フタ、便座など]です。

③作業手順
1.消毒剤を使い捨て紙ウエス等に充分染み込ませ、対象箇所を丁寧に拭き取る。
2.使用した紙ウエスをその都度ゴミ袋に処分。
3.全ての作業が終了したら、ゴミ袋に手袋やマスクなどを密封し、その後、指定処理を実施

注意点
必ず指定防護具を着用すること。ウイルスの感染、消毒剤の吸引を防ぎます。
・ウイルスの他の場所への拡散を防ぐために、1枚の紙ウエスで広範囲に使用しないこと。
火気に注意すること。エタノールは引火性が強い消毒剤です。また、狭い場所で一度に長時間の作業は避けること。
エタノールの最も効果的な殺菌濃度はは70%~80%です。エタノールの濃度によっては、水で濃度調整すること。
・次亜塩素酸ナトリウムの場合の注意点
 -カーテンなどの布製品への使用は避けること。
 -ドアノブなど金属部を清拭した時は、5分後に水雑巾で再度拭取りましょう。
 *漂白作用により清拭場所の変色や腐食が発生します。

④消毒作業の後処理
新型コロナウイルスの感染、拡大を防ぐためにも、作業後の処理も重要になります。

照明消灯、使用資材回収を行います。

・感染者有りの施設の消毒作業の場合は、下記を徹底します。
 -機材、消毒具等や全身をアルコール剤で消毒。
 -使い捨ての装備、紙ウエス等はゴミ袋に入れ、密封し持ち帰り処分すること。

・感染者無しの施設の場合は、
 -使い捨ての装備等はゴミ袋に入れ、再度消毒後密封する。

・防毒マスクなど再利用可能なものは、必ず消毒を行った上で再使用すること。

・作業後は、24時間入室禁止、その後十分な換気実施してからの入室を徹底させること。

以上となります。

3.防護具について

新型コロナウイルスの感染を防ぐためにも、必ず防護具を着用して下さい。これは、感染拡大を防ぐだけでなくあなたの命を守るものでもあります。

1.防護服

新型コロナウイルスは人の粘膜(眼、鼻、口など)から侵入するので、適切な保護具を着用し、消毒作業を行うことが必要です。
新型コロナウイルスの場合は、「タイプ4」以上の防護服の着用が必要です。

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注意点
陽性患者が発生している施設では、必ず使い捨て全身防護服を着用すること。
※陽性患者が発生していない施設では、使い捨て全身防護服は必須ではありません。
• 保護具(マスク、インナー手袋)は休憩毎に交換する必要があります。1日(8時間)作業の場合で、5~10回分を予めご用意ください。

2.マスク

消毒作業時は、必ず防じんマスク、防毒マスク、N95マスクのいずれかを着用して下さい。

N95マスクは、防じんマスク、防毒マスクに比べて簡易的に感じるため不安があるかも知れません。
N95マスクを使用する際の注意点を上げておきます。

①N95マスクの選び方
・NIOSH(米国労働安全衛生研究所)のN95規格をクリアしているか確認すること。
・自身の顔型にフィットしたN95マスクを選択し、適切に着用すること。
・状況に応じて液体防護性のあるN95マスクを選択すること。

②N95マスクの種類
N95マスクには、【カップ型、三つ折り型、くちばし型】の3種類があります。
フィットテストを行い、ご自身の顔型にフィットするN95マスクを選択しましょう。

*フィットテストとは、接顔部の漏れがあるかどうかを調べるために実施されるテストのこと。

⑴甘味(サッカリン)を用いた定性フィットテストの流れ
1)N95マスクを着用しない状態で、サッカリンを噴霧し、サッカリンの甘みを感知できるかチェックします。

2)次にN95 マスクを着用しサッカリンを噴霧してN95マスクのフィットをチェックします。
 サッカリンを噴霧して、
 ①2回深呼吸、
 ②頭を上下左右に動かす⇒2回呼吸、
 ③大きく口を開けて「あいうえお」とゆっくり発声する⇒2回呼吸。
3つの動作においてもサッカリンの甘みを感じなければ、そのN95マスクはフィットしているということになります。

*甘みを感じた場合は、もう一度テストをやり直します。新鮮な空気を吸い、水を飲んでサッカリンの味を無くして再度テストを行います。再テストでも甘みを嘆じるときは、マスクが合っていません。別のN95マスクに交換して改めてフィットテストを行ってください。

⑵N95 マスク着用の重要ポイント
使用前には必ず、ユーザーシールチェックと呼ばれる、正しく装着できているかのチェックを行います
具体的には、呼吸をしたときのN95マスクと顔の間からの空気の漏れがないかを調べます。

1)息を吐いて確認:N95マスクを装着して、フィルターの表面を手でおおってゆっくり息を吐き、マスクと顔の間からの空気の漏れをチェックします。
空気の漏れを感じた場合は、マスクの位置を修正して、再度行います。

2)息を吸って確認:N95マスクを装着して、フィルターの表面を手でおおってゆっくり息を吸い込み、マスクが顔に向かって引き込まれれば完了です。
空気が漏れてマスクが引き込まれない場合は、マスクの位置を修正して、再度行います。

*フィットテストは、N95マスクがあなたに合っているかの確認で、ユーザーシールチェックは、そのマスクの装着がきちんと出来ているかの確認です。

注意点
密着性が悪く、隙間からウイルスが侵入する可能性があるため、サージカルマスクは使用しなてはいけません。

3.保護メガネの選び方

目の周囲を全方向で囲んだゴーグル形の保護メガネを選んでください。
メガネが曇ると危険なので、防曇機能のついたメガネを選んでください。

4.手袋

手袋はアウター手袋とインナー手袋の2種を用意し、必ず二重に着用すること

5.シューズ

出来るだけ滑らない長靴を使用することをお勧めします。シューズカバーは長靴よりも破損する可能性があるため、液体が浸透したり、転倒事故につながることもあります。

 

4.最後に

新型コロナウイルス対策の消毒は、作業箇所、工程などが多く面倒に感じる部分もあるかと思いますが、1つ1つの作業が感染拡大を防ぎ、あなた自身の命を守るものでもあります。必ず決められた手順を守りましょう。

また、厚生労働省が発表している「感染症法に基づく消毒滅菌の手引き」などを参考にして、ご自身で作業チェック表などを作るのも良いと思います。

ご不明点等ありましたら、ご連絡ください。

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