カメムシ大発生の季節が!!
カメムシとは?
5月~8月にかけてカメムシが繁殖する季節です。カメムシは身の危険を感じると強い悪臭を放ちます。その為、ゴキブリ以上に嫌われている害虫です。近年、関西を中心に、マンション、公共施設などでも大量発生をしております。2023年のニュースでは、10月に2次発生でさらに大量のカメムシが発生し、ニュースにも取り上げられるほどの話題になりました。
カメムシは臭いだけでなく植物や昆虫の体液を吸って生活するので、農作物やくだものに害をあたえます。一般家庭においてもガーデニングへの被害や、部屋に侵入し繁殖する場合もあるので要注意です。
カメムシの生態
カメムシの寿命は、長くて1年半程度と考えられております。4月頃から繁殖期を迎え、5月~8月が産卵期です。産卵から1か月くらいで成虫になります。繁殖期が終わると寿命を迎えますが、新しく成虫になったカメムシは越冬して、次の繁殖期を迎えるのです。
秋以降の気温が下がると活動を停止しますが、近年気温が高くなっているので、繁殖期間、活動期間が延びているようです。
カメムシの被害について
カメムシは植物の水分を吸い、農作物、くだものの生育不良、腐敗の原因となります。また、人の住む環境にもなじんでおり、屋外、屋内問わず高い確率でカメムシに遭遇すします。また、活動時期でない冬でも、室内に侵入している可能性もあります。
1.悪臭被害
一般家庭での被害は何といっても悪臭でしょう。カメムシは危険や刺激を感じると、身を守るために悪臭を放ちます。この悪臭は2,3日は残るほど強力です。あまりの臭いの強さに、カメムシ自身がショック死してしまうことがあるほどです。その為、手や服に付いてしまうと、その臭いに悩まされてしまいます。
2.大量発生
近年の大きな問題となっております。異常とも思えるぐらい何万という数のカメムシを目にすることもしばしば。農地、森林だけでなく、住宅地、マンションの壁中がカメムシだらけになったり、街灯にたくさん集まったりしています。
3.室内への侵入被害
カメムシは、平たい体型をしているので、狭い隙間から室内に侵入する場合もあります。また、洗濯物に張り付いて侵入する場合もあります。そして、刺激してしまうと室内で悪臭を発してしまうのです。
また、カメムシは危険を感じた場合以外でも、仲間に危険を知らせる警戒、仲間を集めたり、道しるべとしても臭いを発することがあるそうです。
カメムシの種類
カメムシの種類は、世界中に生息しておりその種類は100種類にもなります。日本でよく目にするカメムシは、クサギカメムシ、マルカメムシ、アオクサカメムシ、ホオズキカメムシ、ナガメ、サシガメなどです。
この中でも、特にマンションなど住宅地で目にするのは、クサギカメムシとスコットカメムシになります。いずれも成虫でも15mm程度と小さく平たい体型をしています。その為2mmくらいの隙間があれば、室内に侵入する可能性があります。
カメムシの発生原因
1.気候変動:
気候変動は生態系に大きな影響を与えることがあります。近年の温暖化や降水量の変化は、カメムシの生息地や繁殖条件に影響を与え、異常繁殖を引き起こす可能性があります。
2.生息地の変化:
都市化拡大など、生息地の変化がカメムシの生態系に影響を与えることがあります。都市化など人間の住む環境の変化が、カメムシが好む環境を提供し、異常繁殖を促進する可能性があります。
3.天敵の不在:
カメムシの天敵が不足している場合、その天敵による捕食が減少し、カメムシの生息数が増加する可能性があります。生態系のバランスが崩れることで、異常繁殖が引き起こされることがあります。
4.移動手段の拡大:
カメムシは人間や物資と共に移動することができます。商品の輸送や旅行により、カメムシが新たな地域に持ち込まれ、そこで異常繁殖を起こす可能性があります。
これらの要因が組み合わさることで、カメムシの異常繁殖が引き起こされる可能性があります。このような現象を管理するためには、生態系の保全や環境管理、適切な農業実践などが必要です。
カメムシの予防と対策
ここでは、住宅街、マンションにおける予防と対策について考えてみましょう。
家に入れない
1.洗濯物の取り込みに注意
陽当たりよい場所と白い色を好むカメムシ。天気の良い日は、外に干した白いシーツやシャツなどに付いていることも多いので取り込み時には裏も表もしっかり確認しましょう。もし、カメムシがついていたら、刺激してはいけません。カメムシは身の危険を感じたら、あの悪臭を放ちます。洗濯物を軽くゆらしたり振って、飛んで行くように促してみましょう。
2.雑草・落ち葉を取り除ききれいに保つ
カメムシは植物の水分を吸うので、庭やベランダでガーデニングの植物に付くことがあります。また、雑草や落ち葉が溜まり場は、カメムシの好む場所です。雑草・落ち葉を取り除き、きれいに保ちましょう。
3.開口部などの隙間をなくす
カメムシはわずか2mm程度のすき間からでも入ってきます。網戸やガラス戸、窓枠や換気扇など、ちょっとしたすき間があれば、「すき間テープ」などでふさぎましょう。また、カメムシの活動期間は窓、ガラス戸、網戸やドアの閉め忘れにも注意しましょう。
4.エアコン設置場所もチェック
エアコン設置でできた壁と穴のすきまからも、侵入の可能性があります。このすきまは壁用コーキング材やパテでふさぐと良いでしょう。また、エアコンのドレンホースもカメムシの侵入経路になりえます。ドレンホースはエアコンの排水用ですから、完全にふさぐわけにはいきません。先端にネットなどをかぶせて侵入を防ぎましょう。
5.外壁・網戸に殺虫剤を塗布する
温かい場所を好むカメムシ。気温が下がり始める秋ごろから、家の外壁や網戸に集まり、温かな室内の侵入を狙っています。あらかじめ壁・網戸に殺虫剤を塗布しておくことで侵入を防止することができます。
6.LED照明を使う
カメムシは紫外線を好みます。白熱灯や蛍光灯は紫外線を発生させるため集まりやすいのです。そこで、紫外線を出さないLED照明に変えることも有効です。カメムシ以外にも紫外線を好む昆虫は他にも多くいるので、LED照明に変えることで防虫効果が期待できます。
・LED照明の防虫効果のある昆虫
カメムシ、コガネムシ、アブラムシ、スズメバチ、ウスバカゲロウ、ガガンボ 他
7.卵を産ませない
最も効果的な対策は発生そのものを防ぐことです。つまりカメムシに卵を産ませないことや、孵化させないことです。カメムシ数十個の卵が集まった”カタマリ”として産みつけます。産卵から10日前後でふ化するので、それまでに駆除することが大切です。昨年見ていなくても油断は禁物。卵を産み付けられていると今年は大発生ということにもなりかねません。
一度卵を産み付けられると、同じ成虫が何度も同じ場所に産卵する可能性があるので、ベランダの整理整頓し、マメにチェックしましょう。1度孵化を許してしまうと数十匹単位で増えるので、大量発生してしまいかねません。
住宅のベランダ卵をよく見かける場所は以下のなります。
日当たりの良い、温かい場所
・ベランダの壁(特に白、薄い色)
・洗濯物(特に白、薄い色)
・ガーデニング(野菜、果物などの葉のうら)
・置きっぱなしの粗大ごみ類などの裏
カメムシ発見!どうすれば
卵を発見した場合
洗濯物などに卵を産み付けられてしまったら、ガムテープで取れる場合はガムテープに張り付け、つぶさないように除去します。外壁などガムテープを使用できない場所は、板や定規などを用いて剥ぎ取ると良いでしょう。除去した卵は孵化しても被害が出ないように、取り除いた卵はビニール袋などに入れて処分しましょう。
成虫を発見した場合
カメムシが家に侵入してしまったら、とにかく刺激しないことです。家の中にカメムシが侵入してしまったら、一番重要なのは悪臭を発生させないことであり、そのためには、とにかくカメムシを驚かせないことが大切です。したがって、間違っても叩いたりしてはいけません
手軽な方法(1~4)から考えてみましょう。どの方法も、カメムシを刺激しないことが重要です。どれも刺激してしまう可能性はありますから、不安な場合は他の方法を試してください。
1.ゴム手袋を使い手で除去する:
カメムシが見つけたら、ゴム手袋を着けて手で取り除き、外に出して放すか、密閉された袋に入れて処分します。
2.カメムシの体全体をティッシュで覆う
刺激しないようにティッシュでやさしく覆い捕獲して逃がしましょう。ティッシュで覆った後はビニール袋に入れて口をふさいでから逃がしましょう。
3.紙と布ガムテープを使う
進行方向に紙を置き、カメムシが上に乗ったら粘着力の強い布ガムテープで覆い、カメムシをつぶさないように周囲を貼り付けて閉じ込めてしまいます。
4.掃除機を使う
カメムシが家の中に侵入した場合、掃除機を使って吸い取る方法です。吸い込んだ後は、掃除機の中身をすぐに廃棄して密閉処理します。但し、掃除機で吸い込んだ後、掃除機内部で悪臭を発生する場合があります。
簡単な捕獲ツールを作る
牛乳パックとペットボトルを使った捕獲方法です。
5.牛乳パックを使った捕獲ツール
飲み終わった牛乳パックを使います。牛乳パックを洗い上部を全開にし、パックの中に数cm程度食器用洗剤を入れます。カメムシにパックの口を近づけて軽く触り、牛乳パックの中に落ちたらパック上部を閉じます。
6.ペットボトルを使った捕獲ツール
使用済みペットボトルを使用します。そのまま、飲み口から容器内に落としてもよいのですが、口が狭いので誘導しにくい場合があります。。その時はペットボトルの上部3分の1くらいを切り、切った部分を上下逆にして下部にはめ、テープで固定します。これで、カメムシをペットボトル内に入れやすくなります。牛乳パックと同じく容器内に食器用洗剤を数cm入れておきます。
殺虫剤を使う方法です
7.市販の殺虫剤を使う
ホームセンターなどで市販の殺虫剤を使い駆除する方法です。カメムシ専用であったり、カメムシ対応の殺虫剤も多数出ていますので、それを購入しましょう。使用上の注意をよく読んでお使いください。
8.凍結スプレーを使う
小さなお子様がいたり、殺虫剤の使用に躊躇される方もいらっしゃると思います。そういったときに、害虫駆除用の凍結スプレーを直接吹き付けるのも効果的です。マイナス数10℃の冷気を吹き付け一瞬で動きを止めます。驚かさないようにゆっくり近づき、、臭いを出す出す前に垂直方向から吹き付け動きを止めて駆除します。
9.煙タイプの殺虫剤
室内で大量発生してしまったら、煙タイプの殺虫剤を使うことも検討してみては?細かい隙間まで入り込み、カメムシだけでなく部屋中の害虫を一気に処理してくれます。
カメムシの臭いが手、衣服などついてしまったら
カメムシの強烈な悪臭は、カメムシが身の危険を感じたときに発します。その臭いの強烈さはカメムシ自身もショック死することがあるほどです。
カメムシの臭いは、油に溶けやすく、水に溶けにくいため、が手や服につくと取れにくいのです。カメムシの臭いが手などについてしまった場合は、油系の液体【サラダ油、オリーブオイル、クレンジグオイルなど】を手にすり込んだあと、石けんで洗い流しましょう。
衣類などについてしまった場合は、界面活性剤入りの洗剤で洗うか、ドライヤーやスチームアイロンの熱をあててみてください。部屋に臭いが充満してしまったら、柑橘系の香りを使用すると和らぐようです。柑橘系の香りの洗剤、消臭芳香剤やアロマを試してみてください。
専門家の助けを借りる
カメムシが大量発生してしまい、自分で処理することに躊躇する場合は、速やかに専門家に相談しましょう。カメムシは、産卵期になんども数10個単位で卵を産みます。そして10日程度でふ化します。そのままにしておけば、更に大量発生をさせてしまうからです。また、室内に侵入する可能性も増えてしまいます。
カメムシの大規模な発生や処理が難しい場合、害虫処理の専門業者に相談し、助けを借りることも考えましょう。それが、解決の1番かも知れません。