クモって益虫?|でもクモの巣は撤去したい・・・

蜘蛛(クモ)が益虫でも、蜘蛛(クモ)の巣は撤去したい・・・

皆さん、知ってますか?蜘蛛(クモ)って益虫なんですよ。
実際、ゴキブリ、ハエなどの害虫を食べるので、人間の役に立つ部分もあります。

とは言うものの、あのグロテスクな風貌や、蜘蛛(クモ)の網に引っ掛かって不快な思いをすることから、嫌われています。
家の中に蜘蛛(クモ)の網があると何だかイメージも良くないですよね?
また、蜘蛛(クモ)の中には毒を持つものいるので、注意も必要です。

今回は、この不快にさせる蜘蛛(クモ)の網を家に作らせない方法を考えていきましょう

 

蜘蛛(クモ)の種類について

日本に生息する蜘蛛(クモ)の種類はおよそ1,200種ほどです。
思った以上に種類が多いですよね?

[蜘蛛(クモ)の網]を作っているものが目につきやすいですが、約半分の種類は[蜘蛛(クモ)の網]を作りません。
網を張らずに自ら狩りをしたり、地下に巣穴を作る種も多くいるのです。
その為、蜘蛛(クモ)は家の中・周囲、公園、道端、野原、山林など陸地のあらゆる場所に生息しています。

蜘蛛(クモ)の捕食方法は、獲物にかみついて毒を注入して、獲物の動きを止めてから捕食します。
殆んどの蜘蛛(クモ)は、昆虫程度に効く程度の毒ですが、中には人間に害を及ぼす蜘蛛(クモ)もいるので、油断は出来ません。

 

1.[蜘蛛(クモ)の網]を張り獲物を待つタイプ

■ジョロウグモ(女郎蜘蛛)

大型の蜘蛛(クモ)で、日本では北海道を除く広い範囲に生息しています。
名前の由来は、きらびやかな色、肢体から、花魁の女郎に由来すると一般的には考えられていますが、一方で大奥の上臈(じょうろう)から来ているとも言われてます。

ジョロウグモ(女郎蜘蛛)の詳細はコチラ

■クサグモ(草蜘蛛)

日本全国で見ることが出来ます。
比較的明るい場所にある草木の間に大きな棚網を仕掛けます。その為、人家、公園、神社、お寺、林道などで見つけることが出来ます。

クサグモ(草蜘蛛)の詳細はコチラ

2.徘徊して狩りをするタイプ

■アシダカグモ(脚高蜘蛛)

徘徊するタイプは網を張らずに獲物を待ち伏し、目の前に現れた獲物を捕まえます。
アシダカグモは、もともとは外来種ですが、人家に生息する大型の蜘蛛(クモ)としてよく知られています。見た目がグロテスクで、大型且つ夜中に活動するという特長から不快害虫とされますが、ゴキブリなど家の中の衛生害虫を食べる益虫でもあります。

アシダカグモ(脚高蜘蛛)の詳細はコチラ

■ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)

正面に大きな2つの目をもつ小型の蜘蛛(クモ)です。素早い動きとよく飛び跳ねます。
名前の通り、主にハエ類や小型の虫を獲物にする益虫です。大変多くの種があり、種によっては蜘蛛(クモ)、アリを捕食するものもいます。環境への適応力もあり、都会などでもよく見ることが出来ます。

ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)の詳細はコチラ

3.地下に[巣穴]を作り獲物を待つタイプ

■ジグモ(地蜘蛛)

日本各地で、人家の庭先にも普通に生息しています。身近な蜘蛛です。地下に穴を掘って袋状の巣を造り、獲物を待ち伏せします。
地下に住んでいますが、地上部が分かりやすく為か、よく目にすることが出来ます。
その為、このタイプの蜘蛛(クモ)として、良く知られている蜘蛛(クモ)です。

ジグモ(地蜘蛛)の詳細はコチラ

4.危険 人間に害を与える猛毒があるタイプ

■カバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛)

日本全国に生息する、体の色が黄色く、足は毛が密生し先端が黒いです。毒が強い蜘蛛(クモ)で、国内の蜘蛛(クモ)刺咬症の重症例の大半を占めています。
ススキなどの大型のイネ科の植物の葉を巻いて巣を作ります。蜘蛛(クモ)の網は張らず、夜間徘徊して昆虫などを捕食します。

カバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛)の詳細はコチラ

■セアカゴケグモ(背赤後家蜘蛛)

1995年11月に、日本で初めて大阪府高石市で発見された外来種です。毒性は強くオーストラリアでは死亡例もあります。大変強い毒を持った蜘蛛(クモ)ですが、性格はおとなしく、素手で触るなどしなければ、噛まれることはありません。

巣は不規則網で、複雑に張られた三次元構造を持つ巣となります。道路の側溝や公園のベンチ下、植木鉢の下など地面に近く直射日光が当たらない場所に造られることが多い様です。

セアカゴケグモ(背赤後家蜘蛛)の詳細はコチラ

 

蜘蛛(クモ)の集まりやすい環境とは?

蜘蛛(クモ)の集まりやすい場所=蜘蛛(クモ)の生きていきやすい場所 です。
つまり、①獲物が豊富にある場所、②蜘蛛(クモ)の巣を張りやすい場所、③侵入しやすい、④天敵がいない場所となります。

①獲物が豊富にある場所

蜘蛛(クモ)のエサは主に小さな虫やハエ、ゴキブリといった害虫などです。その為、虫が集まる場所に蜘蛛(クモ)の網を仕掛けます。

具体的には、昆虫が住む森や畑、水場のそばなどや、羽虫の集まる照明周辺、虫のエサになるホコリや食べかすなどが豊富な場所となります。

②【蜘蛛(クモ)の巣】を張りやすい場所

・巣網を作りやすい:軒下や窓際、庭木の間やサッシの内側、家の中であれば押入れや天井の角などは、とくに糸をかけやすいため、巣網を作ります。

・巣網を守りやすい:風が当たったり人間がよく通ったりする場所は、蜘蛛(クモ)の巣が壊されやすいのであまり好まない。巣を守るための壁や屋根がある場所、壊れにくい高所などは蜘蛛の巣ができやすい。

③侵入しやすい

蜘蛛(クモ)はちょっとした隙間からでも簡単に侵入します。外壁にひびやすき間が出来ていたり、換気や出入りのために窓やドアを開放しているというご家庭は要注意です。

④天敵がいない場所

蜘蛛(クモ)の天敵は、ベッコウバチなどの狩人蜂やヤモリ、小鳥ですが、蜘蛛(クモ)同様に家に入れたくない生き物ですよね。
また、これらの天敵も蜘蛛(クモ)を主食にしているわけではないので、蜘蛛(クモ)を頻繁に食べるわけでは無いようです。
家屋内での蜘蛛(クモ)の天敵は、私たちにとっても除去したい生き物なので、家屋内は蜘蛛(クモ)にとって住みやすい環境と言えるでしょう。

 

蜘蛛(クモ)の巣発見|具体的な対策を紹介

家の中・家の周り・庭等に蜘蛛(クモ)の巣があって困っている方は、蜘蛛(クモ)の巣対策をしましょう。何もしないまま放置していると、蜘蛛(クモ)の巣は増え続けます。

蜘蛛(クモ)のエサとなる獲物の遮断

エサとなる虫がいなければ、蜘蛛(クモ)の巣を作る意味がありません。家屋内の害虫を駆除すれば、蜘蛛(クモ)はが集まりにくく、結果として蜘蛛(クモ)の巣ができにくくなります。

■ホウ酸団子を置く

蜘蛛の巣対策をするならホウ酸ダンゴを置いて、蜘蛛のエサとなるゴキブリを駆除するのも一つの対策になります。ゴキブリがいなくなれば、巣を張る蜘蛛が減るかもしれません。
ホウ酸ダンゴは、ゴキブリが食べると、脱水症状で死ぬため、ゴキブリ駆除に効果的です。
ただし、即効性がないので、ホウ酸団子を1ヶ月以上は置きましょう。ゴキブリがホウ酸団子を食べれば駆除できます。
気をつけることは、蜘蛛(クモ)のエサであるゴキブリを駆除することなので、ホウ酸団子の設置場所は、ゴキブリが好みそうな場所に置くことです。また、ホウ酸団子が乾燥すると、食いつきが悪くなるため、その場合は新しいものと交換しましょう。

■庭やベランダの照明を減らす

夜、屋外の照明を使っていませんか?屋外の証明を減らすことも、蜘蛛(クモ)の巣対策には効果的です。
照明には、寄ってくる虫が集まるため、大量のエサを捕獲できる絶好の場所なのです。
必要のない外灯は付けない、人が通るときだけ自動点灯するものを使う、虫が寄り付きにくいLED照明の交換なども検討してみるのはいかがでしょうか?

 

蜘蛛(クモ)の棲み処を撤去

■蜘蛛(クモ)の巣対策スプレーをまく

蜘蛛(クモ)の巣を張らせないスプレーを使えば、簡単に蜘蛛(クモ)の巣対策ができます。 室内だけでなく、屋外での対策にも使えます。蜘蛛(クモ)の巣を張る場所(天井・サッシ・窓・ベランダ・外壁等)にスプレーするだけなので簡単です。
スプレーの種類は様々ですが、蜘蛛(クモ)の巣を張らせない効果・蜘蛛(クモ)を寄せ付けない成分・殺虫成分などが含まれています。
蜘蛛(クモ)は、同じ場所に巣を張る習性があるため、撤去するだけだと、また同じ場所に巣を張ります。見つけたら、すぐに巣を撤去しスプレーをまきましょう。

■木の剪定をする

蜘蛛(クモ)の巣を張りやすい場所を減らす効果があります。木が多いと巣を作りやすいので蜘蛛(クモ)が集まりやすいです。
庭の木を剪定することで、蜘蛛(クモ)の巣を作りにくくなるため効果があります。

 

③侵入経路の遮断

■ドアや窓枠に柑橘類の皮をこすりつける

蜘蛛は柑橘系の香りが苦手です。ドア・窓枠など蜘蛛(クモ)の侵入経路に柑橘類の皮をこすりつけると蜘蛛(クモ)の巣を張りません。レモン・オレンジ・グレープフルーツ・みかん等を食べた後、それらの皮を使ってみましょう。
実は、柑橘系の香りはゴキブリも嫌いなのです。その為、蜘蛛(クモ)の巣とゴキブリ対策が同時に出来ます。
さらに、柑橘類の皮で蜘蛛の巣対策をする方法の利点があります。殺虫剤を一切使わないことです。そのため、殺虫剤を使いたくない方にもおすすめです。

■壁やドアのすき間を埋める

家の中に蜘蛛の巣を張らせないためには、蜘蛛(クモ)の侵入口を遮断することです。ドアのすき間は要注意。すき間テープ等で埋めて下さい。すき間があると家の中に蜘蛛(クモ)が入ってきて、蜘蛛(クモ)の巣を張ります。

まずは、外壁・内壁のすき間がないか?を確認してみて下さい。特に、築年数が経っている家屋は気を付けましょう。外壁の劣化などから、ひび割れや大きなすき間ができている場合もあります。ひび割れすき間を発見した場合は、すき間をすぐに埋めてしまいましょう。自分ですき間を埋めることができない時は、専門家に相談することをおすすめします。

 
■窓の近くにある木を剪定をする

窓の近くにある木を剪定するのも効果があります。窓は蜘蛛(クモ)が侵入してくる場所の1つです。、また窓の近くに木があると、窓の隅やサッシ、網戸などに蜘蛛(クモ)の巣を張ります。窓の近くの木を剪定するだけで蜘蛛(クモ)の侵入を防ぎ、窓周辺に蜘蛛(クモ)の巣を張りません。

効果的な除去をしたいなら、プロにお任せ

いかがでしょうか?今回は、蜘蛛(クモ)の種類と、蜘蛛(クモ)の巣対策について書いてみました。
蜘蛛(クモ)の巣の除去自体は、手間はかかりますが、皆さま個人でもある程度簡単に出来ます。

しかし、蜘蛛(クモ)には、網をかけるもの、徘徊するもの、地中に住むものなど様々です。
家屋内で見ることはほとんどないと思いますが、毒を持つ種もいるので知識も必要です。

そして、考えて欲しいことが、もう1つあります。
蜘蛛(クモ)は、害虫を捕食する益虫でもあります。ということは蜘蛛(クモ)がいると言うことは、そのエサとなる害虫も潜んでいることを忘れないで下さい。
蜘蛛(クモ)の巣を頻繁に見つけたら、蜘蛛(クモ)の巣の除去だけでなく、そのエサとなる害虫対策も考えましょう。

その為にも、蜘蛛(クモ)の巣を見つけたら、一度専門家に相談することをお勧めします。
蜘蛛(クモ)の巣撤去だけでなく、侵入経路のひび割れ・すき間の修理、そのエサとなる害虫対策についてもアドバイスが頂けますよ。